ロボット・ドローン
ドローン用超軽量機材と小型燃料電池システムの開発
事業計画
本事業では、物流や防災などを主な用途とする25kg級の小型機と150kg級の大型機のドローンを開発します。1時間の飛行ができる機体の開発が目標です。機体の堅牢性の確保と長時間飛行のために炭素繊維複合材料(CFRP)を用います。今年度は、南相馬市に研究施設を新設し燃料電池搭載ドローンを作製しました。さらには新品及びリサイクル炭素繊維をベースとしたCFRPの自作技術の習得に努めました。
実施期間
2017-2019
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
わが国における改正航空法では最大離陸重量25kg未満がひとつの重量カテゴリーであり、国内を飛行しているドローンの大部分はこの分野です。機体総重量が数kgの機種が大半で、最近は農薬散布や物流用途として機体重量が15kg程度で、10kg程度の積載量をもつ産業用ドローンの開発が進んでいます。しかし、最大の難点は飛行時間が短いことです。
研究(実用化)開発の目標
本事業では、物流や防災支援などを主な用途とする25kg級の小型機と150kg級の大型機の2種類のドローンを開発します。3年の研究開発期間で、1時間の飛行ができる機体の開発を目標とします。新品とリサイクル回収した炭素繊維で機体専用のCFRPコンポジットを創り、さらには小型燃料電池やハイブリッド電源等長時間飛行のための電源供給システムを開発します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
《開発のポイント》
ドローンの飛行時間の延長には機体の軽量化と供給電源の小型化・大容量化が必要です。本事業では、炭素繊維複合材料で創る超軽量素材と、小型燃料電池等を用いた供給電源システムで構成される新たな機体を開発することにより、近距離物流や防災支援に実用できるドローンを製作します。
《先進性》
将来のドローンの大型化を見据え、ドローン専用機体構造材料の強度設計に力点をおきます。国産の航空機用炭素繊維を用いた複合材料を創ります。非破壊検査や化学機器分析を組み合わせた新たな材料評価法を開発し、機体構造材料の信頼性を高めます。材料の面からドローンの安全性を追求します。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
本事業で開発を目指すドローン(小型機:積載量10kg、飛行時間1時間以上、大型機:積載量50kg、飛行時間1時間以上)は、既製品には存在しないため、環境ビジネス分野や物流ビジネス分野の市場関係者及び災害救助現場に対処する自治体関係者などから待望されています。これらのドローンを浜通り地域で製品化できれば、当該地域の様々な業種の連携や雇用拡大に繋げる事ができ、浜通り地域における産業復興の加速化を一気に進め、多くの経済的波及効果をもたらすことができます。
これまでに得られた成果
①25kg級小型燃料電池搭載ドローンの製作
英国製小型燃料電池を連結した電動機構と水素供給システムを開発し、CFRP製プラットフォーム機に搭載してドローンを製作しました。
②新品炭素繊維を用いたCFRPコンポジットの製作
総重量25kg級のカテゴリー機において積載量を10kgとするために航空機の1次構造材に使用されている炭素繊維を用いて材料設計し、高強度・高弾性率を有するドローン専用機材を開発しました。
③リサイクル炭素繊維を用いたCFRPコンポジットの製作
航空機に使用されている端材から炭素繊維を回収し、物流ドローン用の超軽量コンテナを開発しました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
星山工業及びビードローンは連携し、物流や防災などを主な用途とする25kg級の小型機と150kg級の大型機の2種類のドローンの開発にチャレンジしております。3年の研究開発期間で、1時間の飛行ができる機体の開発を目標としております。浜通り地域の活性化と若い方々への雇用の場を提供することが目的です。地元に製造工場を新設し、福島ロボットテストフィールドを活用して実機生産を目指します。浜通り地域の企業の皆さまとの協力を希望します。