ロボット・ドローン
高高度隊列飛行による三次元メソスケール空間情報収集ドローン型ロボットの開発
事業計画
メソスケールの大気情報は、様々な分野での応用が期待されるが、効率的な取得方法は確立されていません。ドローン型ロボットに、気象センサや各種測定器(ガス・粉塵・放射線・電磁波等)を搭載して、ドローン型ロボットを隊列飛行させることにより、従来はデータ取得が困難であった様々な三次元メソスケール空間情報(水平スケール2,000m×高度最大2,000m)をリアルタイムに収集します。
実施期間
2018-2019
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
気象では、集中豪雨など災害対策のためのメソスケール気象の数値予報モデル精度向上に用いられます。現在は人工衛星やGPSゾンデ等で収集されているが、GPSゾンデは風にながされながら専用周波数帯で観測を行うため、観測位置は制御できません。また、GPSゾンデは回収率が低いため使い捨てです。
研究(実用化)開発の目標
まずは、2年次(平成31年度)の「高高度対地高度2,000mでソフト開発を行い、27機隊列飛行テスト3段3列奥行きも」を成功させ、実証に持ち込みます。
1年次の実証から得られた成果によって、いよいよ市場に打って出ます。マーケットリストに大学、官公庁、団体、民間事業者が40者あり、既に10者と打合せを進めております。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
ドローン型ロボットにより収集した様々な三次元メソスケール空間情報データの解析により、以下の効果が期待できます。
【期待できる効果(例)】
■気象情報の取得
⇒メソスケールで発生する異常気象の数値予測モデルの精度向上
⇒竜巻、局地的集中豪雨、台風などの発生機構解明、予測精度向上
■電磁波情報の取得⇒携帯電話等の電波情報への応用
■放射線測定
■PM2.5測定
■火山噴火や化学工場の爆発事故、テロなどによる有害ガス、粉塵など発生時の拡散挙動分布情報の取得
■その他
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
①2年次のテストフライトのために、福島ロボットテストフィールドを使うことにより、福島県のロボット産業に貢献できます。
②2年次のテストフライトのために、高高度用テストフライトのためのドローン型ロボットを30機製作することにより、雇用及び商業効果が発生します。
③研究(実用化)開発の目標についてにも記述しましたように、マーケットに打って出ますので、経済効果(ドローンの機体製作・機体販売・システム販売など)が見込まれます。
これまでに得られた成果
1年次の最終実証並びに報告は3月に入りますので、途中成果のみの発表となります。
①提出計画書通り、ハード開発として、高高度飛行ドローン単機において対地高度目標1,500mをはるか上の2,000mを越えることができました。
②提出計画書通り、ハード開発として、低高度対地高さ90mを27機を、隊列飛行させることができました。
③提出計画書通り、ソフト開発として、上記②のための飛行制御システムと空間情報を個別に収集できる通信システムが確立できました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
①平成31年1月22日福島ロボットテストフィールド仮設研修施設において、第1回ドローン活用検討会で当フィールドで飛行実験された「ドローン目視外飛行に対する取り組みと今回試験の意義について(JUIDA、JUAV、JUTMの3団体個々に)」報告がありました。1日も早く法的に許可するための性能・安全基準を整備することは大きな発展につながるはずです。
②ロボット産業に関する規制はあらゆる点で厳しいです。確かに人命第一の安全は最優先されなければなりません。しかし、産業の発展のために特区制などを設けて推進できるようにお願いします。