ロボット・ドローン
ドローンを活用したメンテナンスシステムの実用化開発
事業計画
近年、社会的な課題になっている少子高齢化による労働者人口の減少により、インフラ点検における人員減にも影響が及んでいます。しかしながら、現在使用されているインフラも老朽化が進んでおり、迅速な点検を必要とされています。この課題を、ドローンを活用したメンテナンスシステムで解決するべく、システムの実用化を目指して研究しています。
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
橋梁の他、ダム、鉄塔など高度成長時代に建設されたインフラの老朽化のため、早急に点検をする必要に迫られています。しかしながら現状の点検では、特殊車両・足場使用のコスト、安全対策、点検者技能に依存、技術者不足など多くの課題を抱えており、そのため、インフラ点検の効率化が求められています。
研究(実用化)開発の目標
従来の、人による判定を音響解析により自動判定するための技術の確立と商品化開発を実施します。これにより、特殊車輌・足場費の削減、道路規制の低減を図り、かつ従来点検データの活用や、変状の自動検出、点検データの自動化、周辺環境モニタリング自動化にも活用していきます。平成31年度は検討・検証・商品化・具体化までを想定しています。
■売上目標
2019年 1,000万円 ドローン+システム一式(500万円×2)
2020年 5,000万円 ドローン+システム一式(500万円×10)
2021年 1億円 ドローン+システム一式(500万円×20)
■採用
2018年 1名雇用
2019年 2名雇用
2020年 5名雇用
研究(実用化)開発のポイント・先進性
研究開発項目としては、ドローンを活用した点検自動化のための移動機構、近接目視・打音検査の点検機構、音響及び画像解析による変状検出システム開発、ドローンを活用した周辺環境モニタリング自動化システムです。既製品に搭載されたカメラ機能に加え、データ送信の機能や打音検査の機能を搭載し、より簡単に、効率的にインフラ点検が可能なシステムを構築します。人による判定から、音響解析による自動判定が可能なレベルまでを目標とし、当該システムを開発していきます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
ドローンを活用したメンテナンス市場では、日本の純国産メーカーは数少ない現状にあり、本プロジェクトにより、我が国の産業大型ドローンメーカーの海外進出にとって強力な武器になりえると考えます。
また、本プロジェクトは、調査作業効率化、安全性向上を目的としていますが、これを実現する上で、人為的な一連の行動をすべて代替する信頼性の高い要素技術の開発が必要です。開発した技術は、次世代メンテナンス測量への幅広い展開を行うことで、ドローン産業の活性化、国際競争力の強化につながると考えます。
これまでに得られた成果
①打音システム設計
打音適用技術の検討
現地フィールドでの検証
打撃部形状の検討
音声収集部搭載方法検討
打音試作装置の開発
②飛行制御システム設計
シチュエーション別最適制御の検討
飛行制御設計
③機体設計
④H30年度事業実施内容検証
商品化に向けた開発技術項目検討
実用化に向けた妥当性検証
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
弊社が拠点を構える南相馬市ではドローンをはじめとする新産業の振興とロボット開発の実証拠点「福島ロボットテストフィールド」の整備が進んでおります。
弊社は、同フィールドを活用した試みも進める方針です。最先端の技術・知見の集積、発信拠点として地域復興に努めていきます。