ロボット・ドローン
アプリを使ったドローン配送eコマースと空域管理の実用化検証
事業計画
浜通り地区でドローンを活用した物流システムを構築し新たなインフラとして確立するため、また地域の人々に革新的な利便性を提供するため、ドローン配送の実用化検証を実施します。
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
楽天は革新的な物流ソリューションを構築するため、2016年以降ドローン配送の実証実験や試験運用を実施してきました。これまでの検証から抽出した課題を解決し改善していくことはドローン配送サービスの実用化にとって重要です。そういった課題を解決していくなかで、ドローン配送を利用する人々が安心して且つ簡単に利用できるシステムの構築を目指していきます。
研究(実用化)開発の目標
今年度の検証より得られた課題をもとに更なる改善に取り組みます。ドローンの性能など技術面に関する課題やドローン配送を実施するうえでの運用的課題を解決していくことで、誰もが簡単に利用できるドローン配送ソリューションを構築していきます。山間、離島など過疎地域でのドローン配送の実用化、さらには都市部においてもドローン配送を実現できるようこれからも取り組んでいきます。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
楽天はドローンでモノを運ぶだけでなく、ドローン配送に必要な周辺ソフトウェアを自社で開発しています。たとえば、スマートフォンから商品を注文できるショッピングアプリ、ドローン配送に特化したドローン操作用ソフトウェア(ドローンダッシュボード)などを開発し、注文から配達まで各システムが連携したソリューションを提供しています。今回の研究開発では南相馬市小高区でドローン配送サービスの試験運用を実施するため、ショッピングアプリおよびドローンダッシュボードをサービス内容に合わせて設定しました。また、今回の試験運用では地元住民から協力を得てドローン配送サービスを実際に利用してもらい実用化に向けた検証を行いました。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
ドローン産業はこれから成長していくと見込まれています。ドローンが物流インフラの1つとして確立されれば、必要部品の製造、ドローンの組み立て、ドローンのメンテナンスなどを担う企業が必要となり、浜通り地域におけるドローン産業の活性化と共に雇用の創出が見込まれます。また、ドローン配送が日常的に利用できるようになれば、浜通り地域の住民に対して新たな利便性を提供でき、消費者の購買意欲を向上させる可能性があります。購買頻度が高くなれば地元への経済効果も期待できます。
これまでに得られた成果
地元工場へドローン配送を実施しました。従業員の方々にショッピングアプリから昼休みの時間帯に届けて欲しい商品を注文頂きました。商品は地元商店に協力いただきアプリ上に約200種類の商品を掲載しました。注文受付後、梱包された商品をドローンに搭載し商店近くからドローンを離陸させ、工場まで商品を届けました。試験運用を約4週間実施することで、運用者として改善すべき点を洗い出すことができました。さらに、工場の従業員や地元商店からのフィードバックを得ることで実用化に向けた新たな改善点を発見することができました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
ドローン物流は社会へ新たな利便性を提供できる可能性が大いにあります。しかし、解決すべき課題はまだまだ存在するため、改善を継続しながらドローン配送の実績を積み上げていくことが大切だと思います。浜通り地域においてドローン物流を実用化させることで、日本国内外へのイノベーションの発信源となるよう、貢献していきたいと考えています。