ロボット・ドローン
自律化した高高度気球とドローンを組み合わせ広域調査を可能に
事業計画
ロボット高高度気球と成層圏ドローンの実用化開発
高高度を飛翔可能な気球を用い、広範囲の測量や情報収集、通信などを実現します。また、高高度気球からのドローン分離を実現し、そのドローンにより、より機動的な情報収集等を実現します。防災災害時等における広範囲の情報収集を見込みます。また、高高度を生かし、宇宙実験や宇宙開発のプラットフォームの実用化を行います。
実施期間
2019年度~2021年度
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
2019年に高高度気球に搭載した 8K の高解像度センサを用い、高度 25000m より地表データ取得を行いました。これにより得られたデータは人工衛星に比べ 10000 倍程度高解像度でありながら、広域をカバーしたものでありました。今後は災害後調査が可能なよう、さらなる改良を行います。
研究(実用化)開発の目標
最終目標は、ボタン1つで気球飛翔を行い、自動で広域調査を行い、データを転送する装置です。これが完成すれば、大規模災害時に状況把握や救助計画を迅速に策定可能になり、多くの人命を助けることができます。開発期間完了までに、気球と自動飛行できるドローン部分を実現します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
要素技術は、大型の高高度気球と、高高度ドローンの運用技術です。いずれも高高度であるため、非常に広い視野を得ることができます。気球は地球大気により飛行が制限されるが、ドローンと組み合わせることにより、飛びたい場所、情報を取得したい場所へ移動し、必要なミッションを行うことを目的とした技術開発です。
重量 15kg 以下の小型気球はスペースバルーンと呼ばれ、世界的にホビー的に運用されていますが、運べる重量が小さくミッションに限りがあります。弊社は 100kg まで運用可能な大型気球を開発し、より複雑なミッション、より詳細なデータ取得を可能とします。空気が薄く航空機が飛翔できない高高度へ大型気球を用いてドローンを運び、そこから切離して飛行させることで、自由落下により速度を生み、低密度の空気中であっても飛行可能な成層圏ドローンの開発も行うことで、機動的で柔軟な運用が可能なドローン開発も行います。 飛行機が飛ぶことができない成層圏を用いた研究開発は、近年脚光を浴びつつあり、海外では多数の大型気球を用いた恒常的全地球ネットワークの構築実験や、国内でも通信大手企業によるソーラープレーンによる恒常的な通信ネットワークインフラ構築の実証実験が行われています。弊社開発気球やドローンはこれらとは異なり、一時運用に焦点を当てています。突発的な災害や、測量の必要性が生まれた際に、必要な機材を柔軟に変更し、目的とするデータ取得を可能とする装置開発です。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
2019 年度にいわき市内に研究所を設けました。2020 年度までに 6 人、2021 年までに 16 人の新規雇用を予定しています。 本開発期間終了後より研究成果を用いたデータ取得サービスを行い、2022 年度には 1 億 7 千万、2023 年度には 3 億 2 千万円の売上を目指します。
これまでに得られた成果
高高度気球に搭載した高解像度センサにより 8K の解像度の詳細地形データの取得を試験的に成功しました。この地形データを、国内外 2 社へデータ解析の試験のため提供しています。 ドローン開発は飛翔実験を実施し、 2020年度から段階的に高度を上げ切離し実験を実施します。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
高層大気は活用されていない地球資源です。この高度は気球によって拓かれます。気球を活用し、私たちを見守る空の目を実現できます。さらに、宇宙に近い高層大気を活用し、宇宙開発へ実験場を提供し、持続可能な宇宙開発を実現します。私たちは気球を活用し新しい未来を作 ります。
事業者の連絡先
株式会社岩谷技研
福島県いわき市植田町中央1丁目4-1
TEL : 0246-88-6191(担当:岩谷圭介)
MAIL : info@iwaya.biz