ロボット・ドローン

GPS が受信できない狭所環境を自動で航行する測量・点検用ドローン

事業計画

狭所環境等非 GPS・過酷環境における 3 次元測量用自律飛行レーザードローンの開発

トンネルや橋梁及び化学プラント内など狭所環境での定期点検、鉱山などの暗所空間を高精度に測量するための非 GPS 環境下での自律飛行レーザードローンを開発します。そのために、レーザースキャナーを用いて位置推定とマッピングの同時実行処理のできる自動運転システムと、構内の狭小空間をも安定して飛行できる炭素繊維複合材料製ドローン機体を開発します。

実施期間

2019年度~2021年度

実用化開発場所

南相馬市

連携自治体

-

現状・背景

プラントのタンクや橋梁など人間の立ち入りが困難な空間の現況を把握すべき場合があります。そこで、ドローンセンシングの先端技術を持つ Terra Drone 社と頑健で高性能な機体製作の経験を持つフェアスカイ社が連携することで、従来のドローン飛行条件よりも過酷な環境に耐えうるドローン開発を通して効率的な測量の普及を目指します。

研究(実用化)開発の目標

本事業では、プラント内や鉱山などの暗所地下空間を非GPS環境下で自律飛行し、構内地形を高精度で測量するレーザードローンを開発しています。
世界各国の地下鉱山では 1 年間に数万人の方が崩落事故によって命を落としており、トンネル状に採掘された鉱山の崩落を事前に予測することができれば多くの人命を救うことができます。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

従来の地下鉱山で行っていた LiDAR( レーザー光を使ったセンサーの一種で、対象物までの距離や形状まで正確に検知する技術 ) による 3 次元マッピングは地上レーザーで行われていましたが、定点からの観測しか行えず、人が立ち入れない箇所には設置が行えませんでした。そのため、人が立ち入れないような地点の計測は遠くから行わざるを得ず、十分な計測が行えませんでした。一方ドローンによる計測では人が立ち入れない箇所も精密にマッピングが可能となります。 本開発は鉱山における 3 次元計測のみならず、従来ドローンの飛行が不可能とされてきた橋梁点検や廃炉内の計測など広い分野で応用可能となる技術です。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

本事業で製品化する高機能ドローンは環境ビジネス分野や屋内点検・橋梁点検の市場関係者および屋内災害救助現場に対処する自治体関係者などから待望されており、これらの製品が福島県浜通り地域の企業で量産化できれば、当該地域の様々な業種の企業参入や雇用の拡大に繋げる事が可能となり、福島県浜通り地域における産業復興の加速化を一気に進め、多くの経済的波及効果をもたらす事ができます。

これまでに得られた成果

1. 暗所地下空間高精度測量法の開発:水面下点、濡れた地域の点群を取得するために ASTRAlite 社製のグリーンレーザーを購入し、動作確認とデーターログモジュールを開発しました。
2. コンピューター力学シミュレーションによる機体設計:コンピューターシミュレーションによりプロペラ、機体の最適化を行いました。
3. ドローン専用機体構造材料の開発:高強度・高弾性炭素繊維を補強材とする熱硬化性プラスチック複合材を開発しました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

本事業で開発された高機能ドローンは、ロボットテストフィールドを活用し、性能・実証試験・操縦訓練を行う予定であり、量産化に向けたエンジニアリングやドローン部品の製造、組立までの工程を可能な限り福島県浜通りの企業で実施します。これにより福島イノベーション・コースト構想の重点分野産業の視野を広げ、福島県浜通り地域における復興の加速化に貢献していきます。

事業者の連絡先

Terra Drone 株式会社

東京都渋谷区神宮前 5-53-67 コスモス青山サウス棟

TEL : 090-2935-8246(担当:塩澤駿一)

MAIL : syunichi.shiozawa@terra-drone.co.jp