ロボット・ドローン

誰でも簡単に一切の設定なしでカラー外観検査を実施

事業計画

AI による外観検査装置及び不良品選別ロボットの開発

多品種少量生産が前提となる射出成形品において、異物混入,色むら,形状不良などの外観的な不良品は取り除く必要があり、現在は多くの場合人手にてこの作業を実施しています。これらの不良判別・除去を目的とした、柔軟性の高い AI を活用した設備を生産ライン内に設置し、出荷品質の向上と省人化を目的としました。

実施期間

2019年度~2020年度

実用化開発場所

相馬市

連携自治体

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現状・背景

プラスチックの成形品には極少ない確率ですが外観上の不具合品が混入するリスクが常にあり、従来これに対応するのは “ 人の目 ” でした。 しかしながら、昨今は人員確保が非常に難しく、また従来からある外観検査機では設定が煩雑で多品種少量生産にはおよそ向かないことから、自社開発に取り組みました。

研究(実用化)開発の目標

射出成型機 1 台毎に検査機を設置し全数検査を行います。外観検査は底面を除く 5 面を対象として不具合が検出された場合は即座に不良品の隔離とアラーム発信を行います。 不良品の混入を防ぐと同時に同様の品物を生産し続けるリスクを低減すると共に、現場検査の必要人員を削減して人員不足を補います。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

不具合内容には部分的な色の変化も含まれます。この為従来型の画像処理手法による、白黒画像の注目個所にウィンドウをかけて検査する方法では検出困難でした。 これを克服するために、AI を活用して写真の様な色違い・製品違いでも不良個所の特定・検出をプログラムの変更なしに実現可能とする AI プログラムを開発し学習させました。この情報を選別ロボットと共有して不良品の隔離を行う装置を、可能な限りシンプルで安価な構成で実現します。基本的に機種切り替え操作は不要ですが、被検物の色に より白,黒,その他のおよそ2~3パターンの条件で照明の明るさを調整する必要が生じる場合があります。しかしこの色を認識して照明を自動で変更する事も可能です。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

浜通り地域においても AI 即ち IT 系の産業が成立することを自ら証明し新たな雇用を創出すると共に、若い世代の関心を呼び、これが浜通りへの就業及び地域の活性化につながれば良いと考えます。まずは人手不足を補うべく、地域の製造工場への広がり(対応)を進めたい考えです。
また、合わせて AI の検出能力と汎用性を活用して、相馬市の協力を得て地域の第一次産業への応用についても今後検討していきたい考えです。

これまでに得られた成果

光学的に被写界深度をより深く取る為の知見に加え、AI 及びその関連ソフトウェアに関する知見を得て、Windows 上の簡単なツールであれば自ら作成する事が可能になりました。
さらに、官民一体となった支援事業の享受を介して福島県内企業との交流も生まれました。 また、開発した外観検査の手法の中には特許になりうる可能性があると思われる内容が含まれており、この取り扱いについて検討中です。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

AI の応用範囲の広さを実感しています。
しかしながら、当然人がやるべき事・人の方が向いている事も多くありますので、AI に出来る事(得意とする事)・AIに任せてしまった方が良い事を抽出し、より実用的で人にやさしい事業展開を図りたいと考えます。

事業者の連絡先

フジモールド工業株式会社

0244-26-3411(担当:ものづくりセンター)

TEL : 03-3726-1211(担当:サステナビリテイ推進室広報・IR 課)

MAIL : fmk@fuji-mold.jp