ロボット・ドローン

UAVを使用したイノシシ等の生息状況観測技術の開発

事業計画

UAVを使用したイノシシ等の生息状況観測技術の開発

IR(赤外線)カメラ、可視光カメラを搭載した固定翼無人飛行機(UAV)によってイノシシ等の野生動物の生息状況を観測することが可能なシステムを開発します。

実施期間

2017-2018

実用化開発場所

浪江町

連携自治体

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現状・背景

イノシシは、狩猟資源として利用されてきた一方、農業にとっては、最大の加害獣の一つであり、その被害は増大してきました。
また、福島県内においては、平成23年3月に発生した福島第一原発事故の影響で生息域の拡大と生息数が増大しています。
その捕獲には、正確な生息域等の把握の為、広域的な生息状況の調査が有効と考えられます。

研究(実用化)開発の目標

■UAVを使用したイノシシ等の生息状況観測技術の開発
■イノシシ等の生息状況観測専用のUAVの開発(低速飛行化、静穏化等)
■地上からのカメラ操作及びIR画像のモニタリングが可能なUAV制御コンピューターと統合したシステムの開発
■夜間飛行可能な機体システムの開発(不審者の監視等他の用途にも利用可能)

研究(実用化)開発のポイント・先進性

観測方法としては、マルチコプター(所謂ドローン)を活用する方法も考えられるが、トドローンタイプの機体の場合、センサーを搭載した状態での飛行可能時間が数分程度に限られる為、一度の飛行で観測可能な範囲が限られるという課題があります。
飛行可能時間及び航行距離(4.5時間、500㎞、飛行条件による)が長いUAVへのセンサーの搭載により広範囲での観測を可能とします。
これを基に海上、山岳、森林地帯における行方不明者の捜索、森林火災の早期発見、不審者捜索等の警備活動、高速道路、鉄道、送電線及びパイプライン等のインフラ点検等の応用が考えられます。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

イノベーション・コースト構想のロボットテストフィールドの活用により、最終的にUAVの開発、生産、運用サービスについて、浜通り地域における一貫した体制の構築を計画中です。
生産については、FRP成形、金属加工及び機体組立等に浜通り地域内の企業を活用し、最終的には、機体価格ベースで生産の30%程度を地域内企業で実施することを目指します。これによって、部品手配、UAV運用等が地元業者に発注され、地元経済への貢献が期待できます。

これまでに得られた成果

UAVにIRカメラ、可視光カメラを搭載し、その観測技術の基礎技術の確立(飛行試験で空中撮影する際の撮影条件等の設定、空中撮影の天候条件の設定、撮影した画像の解析)。
UAVのネックであった短距離での離着陸が可能な機体の開発。
夜間飛行可能な機体システムの開発。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

弊社の無人機は津波により損壊した福島原子力発電所の上空を飛行し、初めて被害状況の空撮に成功し、被害状況の把握に貢献致しました。
この時点より弊社の無人機が注目され、認知されるようになったことから、浜通り地域の発展に協力して行きたい強い思いがあります。
ロボットテストフィールドを活用することにより周辺地域の機械加工及びFRP製造のできる中小企業と提携し、機体製造の拠点とすることを目標としています。

事業者の連絡先

有限会社ヨシダ電子、フジ・インバック株式会社